ラッパーの綴った本から知る生きる苦節と喜び

ラッパーの男性の半生を綴った書籍を読みました。この本は病気や仕事の契約打ち切りなどを経て結婚し子供を持ち、今に至る暮らしを書いたノンフィクションです。この本ではバイトをしながらフリーで音楽活動を続け、写真を撮る仕事をする年下の妻との生活を綴っています。日常に起こったちょっとしたハプニングやどうにもならないお金の問題、子育てなど、日常を真摯に真っすぐに捉えているため、著者であるラッパーをとても身近に感じることが出来ます。また子育てにおいては、友達やアーティスト仲間達と助け合いながら協力しているところに、強い共感を持ちました。出産後もやりたいことを貫く嫁とそれをサポートする夫の姿から、型に捕らわれない自由な思考を持つことの大切さを改めて知ることが出来ます。またそんな二人だからこそ、目の前にある困難に果敢に取り組んでゆく力強い術を持っているのだと感じたのでした。そしてどんなシチュエーションであれ、共に生きるだれかと協力することがいかに大切かを考えさせられました。また、何よりも他者との繋がりが暮らしに良い影響を及ぼすことをこの作品は教えてくれたように感じました。決して良いことばかりではありませんが、誰かと寄り沿うことができる人生は幸せなのだと思います。一人で抱え込まず居心地がいいコミュニティに身を置き、他者と助け合うことも大切な術だと改めて気付いたのでした。

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